保険診療と自由診療を使い分けた治療

ラバーダムとは治療中に唾液や細菌が入らないようにするために治療する歯だけを露出し、薄いゴムのシートを張る処置のことをいいます。

ラバーダムのメリット

ラバーダムを多く使用する機会は歯の根の治療をするときです。歯の根の治療は感染を防ぐことが非常に重要です。ラバーダムを用いて無菌状態で治療することにより根の治療の成功率が格段に上がるといわれています。

それ以外にも、治療に必要な薬剤の漏れ防止や器具の誤嚥防止などのメリットが挙げられます。

ラバーダムのデメリット

基本的にラバーダムを使用するかしないかで言うと、使用する上でデメリットはほとんどないでしょう。

但し、器具が歯につけられない方・鼻呼吸ができない方・長い間お口を開けているのが辛い方・ゴムアレルギーの方には適さないことがあります。

ラバーダムはなぜ普及しないの?

歯医者のラバーダム使用率は2011年時点で全国で数%ほどと言われています。これだけ効果の高いラバーダムですが、なぜ普及していないのでしょうか。
大きな理由としては、

①手間とコストがかかること
②ラバーダムをしなくても治療ができる

からです。
ラバーダムを装着するのにはいくつかのステップがあり、手間とコストがかかります。
そして、その治療行為に対し診療報酬は0点。いわば医院側のサービスになってしまっているのが普及しない一番の理由といえるでしょう。
また、ラバーダムを使用せずとも治療を行うことができるのと臨床上、すぐに問題が発生するわけではないことも普及しない理由として挙げられます。

 

ラバーダムの手順

準備するもの

パンチ・フォーセップス・クランプ・ゴムのシート・フレーム

①パンチでゴムに穴を開けます

②クランプをゴムのシートに装着します

※クランプは歯の場所により変わります

③クランプをフォーセップスで掴み、歯に装着します

④ゴムのシートをフレームにつけて完成です

根の治療の成功率を左右するラバーダム

歯の根の治療で重要なのは、「再発しない」ということです。そして、再発する原因の多くは細菌の感染によるものです。ラバーダムを使用することで唾液や血液の中にいる細菌の侵入を防ぐことができます。
実際に、ラバーダムをせずに根の治療を行うと感染のリスクが上がることがわかっており、そのリスクは2倍ほどと言われています。細菌は目に見えるものではないのでラバーダムをしていれば100%安心かと言われると難しい問題ですが、再発のリスクを限りなく減らすためにはやはりラバーダムは有用な方法と言えます。