設備を導入する基準

近年マイクロスコープを導入する歯科医院は年々増加しており、普及率は10%程度に到達しました。しかしマイクロスコープを使いこなしている歯科医院は5%にも満たないといわれています。

視野が拡大されるマイクロスコープは、精密な歯科治療には欠かせない医療器具の一つです。しかし「導入した」だけの歯科医院が多いのも事実です。

マイクロスコープとは

マイクロスコープはお口の中を数十倍まで拡大して見える歯科用顕微鏡です。肉眼では見えなかったものがはっきりと見えるようになります。

マイクロスコープで見つけることの重要性

マイクロスコープはただ所持しているだけでは、全く意味がありません。

例えば遠くに見えている山の風景が、特殊な器具を使うことで山頂がはっきり見えるということになります。しかし山頂を見たところで、何が見たいか明確しないと「ただ拡大しただけ」になります。山頂の観測所を見たいなら「見たいもの」「見つけたいもの」を視野に収めなければ意味がありません。目的があって拡大視野にするのと、ただよく見たいのとでは全く意味が違います。

マイクロスコープで見たいものを見る治療

根管治療

 

精密で正確な根管治療を行うために、マイクロスコープは欠かせません。歯の神経は複雑な形をしています。また根管内は非常に暗く、肉眼での根管治療は限界があります。マイクロスコープを用いることにより、根の入り口を探し、精密な根管治療を提供することが可能です。

 

むし歯の除去

 

患部を高倍率で直接見ることで、むし歯になっている箇所と健康な箇所の境目がわかります。マイクロスコープを使用した治療は、むし歯の取り残しや、削りすぎを防ぎます。

 

亀裂の有無

 

歯は過度な力がかかったり長年使用したりすると、クラックと呼ばれる亀裂が入ることがあります。この亀裂が歯の根っこまで割れてしまうと歯根破折を起こします。マイクロスコープでは肉眼では見えない歯の亀裂を確認し、適切な処置を行います。

 

精密な形成と詰め物や被せ物

 

詰め物や被せ物をする前に歯の形を整えることを歯科用語で形成といいます。マイクロスコープを用いて精密な形成をすることで、詰め物や被せ物の精度が高まります。

どのような治療を受けたいですか?

マイクロスコープを導入しただけで飾りになっている歯科医院が見受けられます。また使用していても見る目的がなく、ただ見ているだけの治療は意味がありません。

・マイクロスコープを使用せずあまり見えていない治療

・マイクロスコープで見えているだけの治療

・見つけたい目的があり、マイクロスコープで見つけて、しっかり見ている治療

どの治療を選択したいと思いますか?その選択によって、歯の寿命が大きく変わってきます。